資料解説
|
文化財ウィーク2016『いざ江戸城へ!』図録p.26「(巻2七夕の丁)五節句の一つである七夕は、牽牛・織女の二星が年に1度、7月7日の夜に天の川で逢うという中国の伝承にもとづく星祭りの行事です。機(はた)を織る織女にかけて、竿の先に5色の糸をかけて裁縫の上達を願い、近世以降は、短冊にした色紙に願いを書き、笹竹に飾るようになりました。江戸幕府は七夕を式日(しきじつ)と定め、当日、城内では、将軍をはじめ、老中、若年寄以下の武士も白の帷子(かたびら)・長上下(ながかみしも)を着用、御三家、御三卿以下の諸大名と、三千石以上の旗本の参賀を受け、贈答の儀が執り行われました。(Record of Tokugawa Period Prosperity volume 2)Tanabata, also known as the Star Festival, is an event inspired by a Chinese legend which states that once a year, on the night of July 7, the two stars Altair and Vega meet in the Milky Way. Derived from the legend of Vega being a Seamstress who operated looms, people would tie five different colors ofstring to a pole and wish for improvements in their sewing; starting in the early modern era, those wishes would be written on a long and narrow card then used to decorate a small bamboo plant. The Edo Shogunate prescribed Tanabata as a festival day and held a ceremony in which Daimyō and hatamoto would visit the Shōgun and exchange gifts with him.」/文化財ウィーク2016『いざ江戸城へ!』図録p.7「江戸時代には、幕府の公事を叙述することは禁じられていました。『徳川盛世禄』は、幕府に仕えていた著者が、明治時代になってから、わずかな記録と記憶を頼りに幕府の礼典・儀式を書いた絵入り本です。開いているのは、大広間での儀式の様子を描いた挿絵です。将軍が下段に立ち、二之間・三之間に諸大名が家格順に並んでいる様子が描かれています。礼席では、それぞれの大名が座る畳の目数まで厳格に決められていました。(Record of Tokugawa Period Prosperity volume 1 by Ichioka Masakazu)This illustration depicts a ceremony being held in the Ō-hiroma. The Shōgun is standing on the lower chamber and various Daimyō are positioned by order of household status in the Second and Third Chambers. Written in the Meiji period, this book describes ceremonies, rituals, and annual events held during the Edo period.」/文化財ウィーク2014リーフレットp.3文化財ウィーク2014リーフレットp.3「明治時代になってから編集された、江戸時代の典礼・儀式・年中行事等に関する1冊で、彩色の詳細な挿絵入りの本です。繁栄を極めた江戸が夢のように消えてしまい、もし今その事跡を記録する者がいなければ、後世必ずその実態が分からなくなるに違いない、という使命感のもとに編集されました。 著者の市岡正一は、かつて幕府に仕え、見聞したことは少なくないので、自ら編述したかった、と冒頭に記しています。(Tokugawa Seisei-roku (Record of Tokugawa Period Prosperity) )Written in the Meiji period, this book describes ceremonies, rituals, and annual events held during the Edo period. The author states that he wished to record what he had observed while working in the service of the Shogunate.」/文化財ウィーク2011(14)「徳川幕府の典礼・儀式(武家故実(ぶけこじつ))を可能な限り復元したいという意図を持って刊行された彩色絵入り本。著者はかつて幕府に仕え、明治時代は民法編輯局の官吏でした。江戸時代には公事(こうじ)を叙述することが禁じられていたため材料がなく、わずかに残された旧記と自身の記憶によって書いた、と巻頭の例言に断りがあります。細密に描かれた儀式や行事、礼服などの挿絵は、本書の最大の特色となっています。」/文化財ウィーク2003(74)「(23ウ・24オ)武家故実、年始等の儀式、五節句など年中行事について江戸城内での儀式や、一般武士の家での儀礼・慣行、婚礼・葬礼などの吉凶礼式、位階・身分により身につける礼服・制服の様々を述べ、多くの彩色画を挿入する。掲出の将軍宣下の式は、最大の礼典として「徳川氏叙任之次第」に、勅使下向から町入能まで詳述する。徳川幕府盛んなりし頃の状況、雰囲気を伝える好著である。」/文化財ウィーク2000リーフレットp.4「(23ウ・24オ)将軍宣下の後、下段に将軍が立ち、五位以下の大名等が二之間以下に平伏している。老中2人が二之間との境の襖を開け、武家一同からの賀儀を言上する場面である。」
|