資料解説
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2019文化財ウィーク(66)「大広間での将軍宣下(しょうぐんせんげ)の様子が描かれています。上段に将軍、中段に勅使ら、下段に老中・若年寄以下が着座して、征夷大将軍の宣旨(せんじ)(天皇の命を伝える公文書)・内大臣の宣旨(せんじ)が披見(ひけん)されました。(Shōgun Senge (from the Chiyoda-no-On'omote series) )This is a depiction of the Shōgun Senge ceremony. In the Upper Chamber is the Shōgun; the Middle Chamber has the imperial envoy, while the rōjū (members of the Shogun's council of elders) and wakadoshiyori ("Junior Elders"; direct advisors to the Shōgun) and other lower rank retainers are seated in the Lower Chamber for the presentation of the Emperor's dispatch bestowing the titles of Shōgun and naidaijin minister.」,2016文化財ウィーク『いざ江戸城へ!』図録p.28「将軍は、黒書院で装束を整え、白書院で御三家や上位の大名の挨拶を受けた後、大広間で勅使・院使によって届けられた宣旨(せんじ)を披見(ひけん)・拝礼しました。式後、諸大名・旗本と対面しましたが、大名たちは頭を上げてその姿を見ることはできず、老中が代表して祝賀の意を伝えるのみでした。こうして征夷大将軍は、軍事権、政治権、立法権などを掌中にしました。格式が明確化された舞台“大広間”、その大広間に家格順で平伏する大名たち、その中で、武家の最高権力者として君臨したのです。After donning his ceremonial attire in the Kuro Shoin drawing room, theShōgun would be greeted by the Gosanke households (three householdswith direct kinship to the Tokugawa household) and top-ranking Daimyō in the Shiro Shoin before heading to the Ō-hiroma, where he would read and receive the written decree delivered by the imperial envoy. Following the ceremony, he would meet with Daimyō and hatamoto. Through this process, the Shōgun gained authority of the military, government,and legislative system. The Ō-hiroma was the stage for clear expressionof the social hierarchy, and the Shōgun reigned with supreme authority over the Daimyō as each of them knelt down before him in turn according to his status.」,2014文化財ウィークリーフレットp.2「将軍宣下は徳川宗家(そうけ)の当主が征夷大将軍に任命される儀式で、江戸幕府の礼典の中でも最も重要なものでした。3代将軍の徳川家光までは上洛(じょうらく)して行われていましたが、四代将軍徳川家綱以降は、江戸城に勅使を迎えて儀式が執り行われました。儀式は大広間で行われました。将軍就任者が、勅使・院使によって届けられた宣旨(勅命を下達(かたつ)する文書)を披見・拝礼することにより、新しい征夷大将軍への補任(官に任ずる)が行われました。(Shogun Senge (from the Chiyoda-no-On'omote series) )The Shogun Senge was a ceremony in which the current head of the Tokugawa main household was officially bestowed the title of Shogun. It was the most important of all the ceremonies held by the Edo Shogunate, and involved welcoming representatives of the Emperor into Edo Castle.」,2011文化財ウィーク(11)「徳川幕府の礼典中、最重要の儀式である「将軍宣下」。朝廷から勅使(ちょくし)が江戸に下向し、征夷大将軍の宣旨(せんじ)(天皇の命を伝える公文書)を贈る儀式で、大広間で大がかりに執り行われました。将軍宣下では征夷大将軍に任じられるとともに、右近衛大将(宮中を警固し行幸に供奉する武官の府の長官)、源氏長者(げんじのちょうじゃ)(武家の棟梁である源氏を統率する者の総称)、さらに内大臣(左右大臣を補佐する員外の大臣)にも任じられました。」,2005文化財ウィーク(33)「大広間で行う儀式で最も大掛かりなものが将軍宣下です。上段に将軍、中段に勅使ら、下段に老中・若年寄以下が着座して、征夷大将軍の宣旨・内大臣の宣旨が披見されます。この絵は一画面に表現するため、各室を極端に狭くしていますが、実際は上段で24-28畳敷の広さでした。」,2001文化財ウィークリーフレットp.3「将軍をめぐる諸行事を描いた錦絵の33枚シリーズの1枚。この絵は、「将軍宣下」すなわち征夷大将軍任命の儀式。」
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