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資料解説
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2025文化財ウィークWeb展示資料解説「本途帳とは、一種の建築積算資料集で、建築工事の見積り・積算の根拠となる材料や労務の単価を記録しているものです。この資料では、大工の所要工数を、建物の格、仕様、材料ごとに「坪当たり」で示し、さらに大工1人当たりの報酬を定めることで、必要経費を計算しています。将軍の謁見などが行われ、最も高い格式をもつ大広間と、大広間に次ぐ格式の白書院(画像「い」の部分)は、1坪につき102人の手間が必要とされ、最高ランクの仕様です。資料には朱書きの訂正・追記なども見られ、利用頻度の高さが伺われます。」(This is a record of the unit costs of materials and labor that served as the basis for estimates and calculations in construction projects. It presents the labor requirements per tsubo (approx. 3.3 square meters), categorized by the rank of the building, its specifications, and materials used. It also sets the wages for each carpenter and calculates the necessary expenses.),2014文化財ウィークリーフレットp.8「本途帳(ほんとちょう)とは、一種の建築積算(せきさん)資料集です。この『大工手間本途内訳(ほんとうちわけ)』では、大工がかけるべき手間(所要工数)を、建物の格ごとに、屋根や天井の仕様とともに示しています。「大工壱人ニ付(つき)」(大工1人当たり)「銀(ぎん)壱匁五分(いちもんめごぶ)米一升五合」(銀1匁5分[約2500円-3000円位か]、米1升5合)として、必要経費を計算しています。トップに記載されている「上々御家(じょうじょうのおいえ)格 屋根銅瓦葺(どうがわらぶき)格天井」は大広間と白書院で、「壱坪(ひとつぼ)ニ付百弐人」(1坪につき102人の手間が必要)と書かれています。次の「上之御家(じょうのおいえ) 御座之間 御休息」(いずれも中奥にある将軍の私邸)の1坪85人と比べると、大広間の造営に、いかに経費をかけているかが分かります。(Itemization of work required in the construction of Edo Castle)This is a record of the quantities of materials and personnel required for construction of the different palaces, turrets, houses, walls, and other structures in Edo Castle.」,2012文化財ウィーク(64)「建物の格・程度を、坪当り工数で示したのが、「本途」です。江戸時代初期以来の幕府工事における経験の蓄積から生まれました。建築工事の見積り・積算の根拠となる材料や労務の単価を記録しています。「上々御家 大広間 御白書院格 屋根銅瓦葺格天井(どうがわらぶきごうてんじょう) 壱坪付百弐人」などと記録しています。現代の積算関係資料に相当します。」,2003文化財ウィーク(75)「甲良家は、大棟梁の職務として建築書類を管理し、設計の他に工程管理、工事費用の見積を担当した。この冊子は大工手間に関する本途帳(積算資料集)で、大工の所要工数を建物の格、仕様、材料の別に従って示す。大広間・白書院は、最高ランクの仕様で、大工の所要工数は坪当たり102人である。本書の奥書に、宝暦元年11月で作事小普請奉行連署があり、同年幕府が積算制度を改正し、本途帳により合理的に積算するよう規定したことが裏付けられる。」
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